最近は日本の教育も大きく様変わりをしており、中学では数学や英語・化学だけでなく、美術にも力を入れるようになりました。ひと昔前は学問には当てはまらないと言われたジャンルで、なかには必須科目から除外をしようという動きもあったほどです。
ところが、イングランドやフランスといった欧州一帯では、アートはとても大切な情操教育だという考えを持っているのが特徴になります。優秀な知能を持つ子どもほど、絵画を描くのがうまいという研究結果もあるため、日本でも幼児教育の最初で実施をされているわけです。
そして2000年以降になると、若い世代の間でアートに対する多彩な能力を持ち合わせる方々も登場をしました。簡単にここで解説をすると、美術の才能は中学生のときにどんな教育を受けたかで決まると言われています。
まず小学生の時代までは図工という言葉で指導をしており、おもに粘土やクレパスを活用した簡単な表現しか実施をしません。ところが中学になると、油の具を使用した本格的な絵画の制作がおこなわれ、教師による高度な技も伝授をされるわけです。なかでもとくに役立つのが遠近法という技法で、この歴史は1200年代のイタリアで最初に生まれました。
どんな表現方法なのかを見ると、実際に人間が目にする風景をそのままキャンバスに再現をするものです。奥行をしっかりと再現をすればそれが遠近法となるのですが、簡単に平面で描くのはとても難しいものになります。そこで考案をしたのがモネというフランスの画家で、いまわれわれが普段の生活で見る遠近法は19世紀のフランスで生まれたものです。
それ以前のだと世界的な名画でしかお目にかかれないので、美術展などに足を運ぶしかありません。計20本以上の直線のラインをキャンバスに描き、数ミリ単位で奥行を小さくするという数学の知識を必要とする技法です。あまりにも難易度が高くて、扱える人材が少なかったことから13世紀から18世紀の庶民的な絵画では活用はされませんでした。おもにミケランジェロやダ・ヴィンチといった天才画家のみしか使用をしていません。
中学生から勉強する美術
では話を現代に戻すと、学校教育で中学生に指導をしている遠近法は、モネが考案をしたものとなります。美術学校でも基礎に取り入れており、とても簡単な技なのでスキルを獲得しやすくなりました。
これからアートの世界で生きていきたいと考える若者も多く、最初に中学生時代に基礎スキルを学ぶことで、将来は大きな飛躍を遂げることが可能です。
美術でどんな点に気を付けて勉強をしたらいいのか、と悩まれている方も大勢います。そのコツをここでご紹介をすると、理屈をマスターするよりも経験をたくさん積み重ねることが重要です。たとえばデッサンをする課題を出されたときは一点だけではなく、何十枚も描いて提出をするようにしましょう。少ないよりも多い方が課題点数と教員の評価はとても高くなり、自分の腕を磨くきっかけにもなるわけです。さらに鉛筆だけでなくボールペンや油性マジックなど、いろんな画材で表現をすることも重要です。本格的なアーティストは使用する画材を選ばず、モチーフによって巧みにものを持ちかえるのも特徴になります。もし画用紙に描くのであれば水性絵具、布なら油絵具となるわけです。対象物によっては小さな色紙の場合もあり、こちらだと墨が打ってつけです。
ではどのようにしてプロの絵師になれるのでしょうか。まだ中学生だとその道のりをしっかりと把握されておらず、学校に行って卒業をしたら誰でもプロで活躍ができると思われるものです。しかし、現実はそんな単純なものではなく、とても難しいのが現状です。中学生の時代はおもに課題を出されるので、それをこなすことが重要です。そして毎年全国で学生を対象にしたコンクールを開催しており、まずは入賞をすることを目指すのが近道になります。優秀賞を獲得しようと意気込むのは疲れるので、佳作などが目標にするのにはピッタリなところです。遠近法を用いることができる中学生はまだごくわずかで、先に使うことが重要です。どうしたら腕を磨けるのかと思ったら、毎日メモなどで練習をすることも良い方法になります。まずは今持っているスマートフォンで写真を撮り、そこに遠近法を生み出すラインを上からマジックで引くのがコツです。ここで生まれる直線を確認して、あとは写していったら自然と遠近の取り方がわかります。もし自分でコツをつかめないときは、遠慮せずに教師に質問をしてみるのもいいものです。毎週1回程度の授業ではスキルを高められないと思ったら、部活に入ってみるのも悪くはありません。部活なら毎日大きなキャンバスを使用して作品作りをされているので、大きな経験値を得られることも間違いありません。そして将来は世界で活躍するアーティストを目指し、美術大学への進学を夢見ることで、少しずつ現実的な計画を立てられます。
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