ハンチバックで芥川賞を受賞した市川先生のインタビューが面白かった
『相転移』というキーワードを中心に市川先生のことをまとめます
市川沙央さんは2023年に処女作『ハンチバック』で文藝界新人賞と芥川賞を受賞しました。
2023年(令和5年)に早稲田大学人間科学部eスクール人間環境科学科を卒業しています。ほとんどの過程をeラーニングで行う日本初の通信教育課程です。
筋疾患先天性ミオパチーにより症候性側弯症を罹患し、人工呼吸器と電動車椅子を常用しています。
『ハンチバック』の主人公は、背骨がたわむ重度障害を患っている釈華。赤裸々な内容を綴ったSNSアカウントがグループホームの男性職員にバレたことで、思わぬ事態を導くというストーリーです。
20年以上ライトノベルの賞に応募
「何か職業が欲しかった」と語る市川さんは20歳から執筆稼働を始めます。
ライトノベルを中心に、コバルト、角川ビーンズ小説大賞、電撃小説大賞、ハヤカワSFコンテストなどに応募。新潮の日本ファンタジーノベル大賞も出されたそうです。20年で書いた長編は30作以上。大変凄いですね。
小説家になるには、10万文字以上の長編を10作は書かないといけない、と言われています。
市川さんを見習うと、20年で長編が30作以上。さすがは芥川賞作家。『ハンチバック』のみならず今度はライトノベルを読んでみたいです。
アニメ『タイムトラベル少女~マリ・ワカと8人の科学者たち~』第7話。相転移について
市川さんのインタビューを読んで、アニメオタクの私は『マリ・ワカ』をDMM TVで見ました!
中学生向きなんだけど、科学について学べるすっごい面白い教育アニメでした
『マリ・ワカ』は、『地球へ…』『薄桜鬼』シリーズなどで知られるアニメーション監督のヤマサキオサム氏(61)による作品です。
市川さんはアニメ『タイムトラベル少女~マリ・ワカと8人の科学者たち~』第7話。相転移について言及されました。
「『相転移』という言葉が好きなんです。水を温めるとやがて沸騰して水蒸気になるように、すぐに成果に現れなくてもエネルギーを注ぎ続ければいつかは劇的な変化が訪れる」(2023年5月28日『好書好日』より)
これは20歳から小説家を夢見て、20年以上ライトノベルを執筆し、やっと念願の小説家になった市川さんの励みになった考えのようです。
第7話はモールス符号を発明したサミュエル・モールスの回『人は解らないことだらけなんだよ。でも、考え続けているといろいろなことが繋がり合って突然解る時がくる。それを物理学では相転移というんだ』という台詞があります。
一番伝えたかった『相転移』の知識を糧に、市川さんが創作活動を続けてこられていたと知り、胸熱でした。とアニメーション監督のヤマサキオサム氏(61)は語っています。
私も『マリ・ワカ』の7話を見ました。主人公が勉強でわからないことがたくさんあって、悩んで、悩んで、それでもわからなくて、でも、ずっと勉強を続けていけば、ある日、分からないことが分かるようになる、という内容でした。
考えながらわからないものを見続けていると、突然その意味が解るときがあるんだ、と『マリ・ワカ』のキャラクターは言っています。
市川さんも20年間、ずっと小石を投げ続けて、ある日、突然、相転移し、小石が大当たりして芥川賞を受賞しました。小説家になりました。
小説家になるには、すぐに成果に現れなくてもエネルギーを注ぎ続ければいつかは劇的な変化が訪れる瞬間がくるまでずっと小説を書き続けることなのだと、市川さんに学びました。本当にありがとうございます。
相転移。素敵な考えですね!
まとめ
【ハンチバック】芥川賞の市川沙央先生は20年以上ライトノベルを書き続けてきました。
20年間、文学賞に落ちていたので、墓石に、「一生紙の本が出なかった女」と刻もうと思っていたほどです。
けれども、相転移の考え『すぐに成果に現れなくてもエネルギーを注ぎ続ければいつかは劇的な変化が訪れる』を信じてずっと小説を書き続け、ついには芥川賞を受賞して、小説家になり、紙の本を執筆しました。
小説家になるには、10万文字以上の長編小説を10作以上書くのが最低ラインです。市川さんは、20年で30作の長編を書いていらっしゃいます。
数十年かかろうと、劇的な変化が出るまで、ひたすら小説を執筆するのが小説家になる方法だと気づかされました。
アニメ『タイムトラベル少女~マリ・ワカと8人の科学者たち~』も面白いので、ぜひ見てください。教育アニメなので勉強になります。アニメオタクさんならば要チェックです。
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