現代を象徴する日本人芸術家たち

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日本人芸術家は古くから世界に影響を与えてきましたが、現代でも活躍し名を馳せています。

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草間彌生(くさま・やよい)

草間彌生は水玉の女王と呼ばれる芸術家です。水玉模様や網目模様が特徴的で、その画風は幼い頃に既に現れていました。

草間彌生は不思議な幻覚や幻聴に悩まされてきたとされ、10歳の時点で水玉模様や網目模様をモチーフとした作品を残しています。

日本画家の日比野霞径にその才能を買われて京都市立美術工芸学校の最終過程に編入学しますが、日本は草間彌生の芸術を表現するのにあまりにも狭すぎました。

28歳の時に渡米し、絵画だけでなく彫刻や映画、新聞と幅広く挑戦します。芸術を通した反戦活動にも積極的で、様々な賞を受賞したことから前衛の女王と呼ばれるようにもなりました。

ロサンゼルス・カウンティ・ミュージアムを最初に、ニューヨーク近代美術館とウォーカーアートセンター、東京都現代美術館と巡ったニューヨーク時代の大回顧展は世界的に評価されました。

2009年からは「わが永遠の魂」という大型絵画シリーズを手がけ始め、国立新美術館開館10周年を祝う企画展では52万人が訪れました。

水玉模様や網目模様という繰り返される一つのパターンには永遠や無限が表現されています。きっかけは幼い頃の心の病ですが、それを記録することで幻覚への恐怖に打ち勝つことができました。

草間彌生はよくかぼちゃをモチーフに使います。かぼちゃの形から精神的な力強さを感じ取っているためで、絵画だけでなく立体作品にも登場することが多いです。

草間彌生の作品は年々上昇傾向にありますが、かぼちゃはその中でも特に値上がりしています。10年間で50万円の作品が1700万円にまで高騰した例もあり、これはアート業界でも珍しいことです。それだけかぼちゃのファンが多いということであり、比較的購入しやすいとされるシルクスクリーンの作品でも高値が付けられています。

草間彌生は靴をモチーフとすることもあり、その中でハイヒールを印象強く覚えている人は多いです。ハイヒールは特別な存在で、女性の自立を表現したものとされます。

初めて作品に登場したのは1983年のアクリル画で、その後立体作品にも使われるようになりました。その他にもデザイナーとして24時間テレビのチャリTシャツを作製するなど、精力的な活動を続けています。

田名網敬一(たなあみ・けいいち)

幅広い分野で有名になった日本人芸術家は、彼女だけではありません。今や生きる伝説とも言える田名網敬一もその一人です。

田名網敬一は戦後日本のアート事情を知る上で欠かせない人物として評価されています。

田名網敬一の作品の魅力といえば、奇抜でポップな部分にあります。これは幼少期に体験した東京大空襲が深く影響を与えています。空襲から逃れるための防空壕から自宅に帰るまでに何人もの死体を見てきたことから、田名網敬一は常に死に直面していました。

死に対し人一倍敏感であり、作品に死の概念が切っても切り離せなくなりました。しかし死をまとっていても、作品には暗い要素はありません。むしろサイケデリックで、観るものを高揚させます。

田名網敬一の作品で特に注目されるのは、目のモチーフです。目が多く登場するのは、絵を描くことは「見る」ことであり、自身は人物画を目から描き始めるなど目にこだわりを持っています。

最近の活動では目のパターンをいくつか用意するなど、作品の要を担うほど田名網敬一の魂が込められるほどです。

日本版の月刊プレイボーイの初代アートディレクターに就任したり、フランスで個展を開いたりと活動は多岐に渡ります。

2016年にはアニメーション作品も手がけました。それが「笑う蜘蛛」で、これにも東京大空襲の記憶が複雑に絡んでいます。オーバーハウゼン国際短編映画祭やセントルイス国際映画祭で上映されるなど、田名網敬一の代表作となりました。

河原温(かわら・おん)

現代芸術家の中には既に亡くなってしまったものの、現在でも世界で評価される日本人もいます。

河原温はコンセプチュアルアートの第一人者です。

河原温は日本で活動していた頃は具象絵画を描いていました。コンセプチュアルアートを始めたのは、メキシコやパリ、アメリカに拠点を置いていた頃です。しかし海外に拠点があった頃はインタビューにほとんど応じていなかったので、河原温のパーソナルな部分を残した記録があまりありません。

当時の肖像画像すらないのが現状です。それでも代表作は今でも語り継がれており、日付絵画シリーズはとても人気があります。単色の平塗に白い文字で制作日を描くもので、「Today」シリーズとも呼ばれます。これは旅行先で描かれるので、その土地の言語で記録されます。しかし日本で描かれた作品にはエスペラント語が用いられました。日本はアルファベットを使わないので、世界共通語のエスペラントが採用されました。このシリーズは2000点以上が作られ、主体性や客観性など複数の対立項を観る者に投げかけています。

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